コーヒーの品種「ブルボン」の特徴や風味を焙煎士が徹底解説!
お店にコーヒー豆を買いに行って袋を見ると、生産国や農園名の後ろにパカマラとかゲイシャと書かれているのを見たことはありませんか?
あれは実はその商品に使われているコーヒー豆の品種が書かれているのです。
コーヒー豆は農作物なので、例えばお米にもあきたこまちやコシヒカリなどの品種があるようにコーヒーにも様々な品種があってどれも個性的な特徴を持っています。
コーヒー豆は一見するとどれも同じように見えますが、実は全然違う特徴があるのです。
コーヒー豆の品種はとてもたくさんあるので全部を知ろうとする必要はありませんが、有名なものだけでも知っているともっとコーヒーが楽しくなると思います。
ということで、様々なコーヒーの品種を紹介していきます。
第一回は「ブルボン」を解説します。
ブルボンとは
コーヒーには様々な種があるのですが、飲用として利用されているのはアラビカ種とカネフォラ種(ロブスタ種)の二つで、現在世界で栽培されているコーヒーのほとんどがアラビカ種とカネフォラ種で占められています。
アラビカ種は風味に優れていますが病気に弱くて栽培が難しく、逆にカネフォラ種は風味はアラビカ種に劣りますが病気に強く生産性が高いという特徴があります。
ブルボンはアラビカ種のコーヒーで、上質な風味が世界中で親しまれています。
ブルボンの歴史
ブルボンはマダガスカル島東方のインド洋上にあるレユニオン島という場所で生まれました。
元々レユニオン島では1715年にフランスが持ち込んだティピカという品種のコーヒー豆が栽培されていたのですが、島の環境や気候の影響を受けて突然変異で誕生したのがブルボンなのです。
レユニオン島はかつてブルボン島と呼ばれており、それにちなんでブルボンと呼ばれるようになりました。
その後ブルボンは世界のコーヒー産地へ渡り、今でも各地で栽培されています。
世界中のコーヒー農園で栽培されてきた人気のある品種ですが、ブルボンは病虫害への耐性が低く収穫量も多くないため近年はより生産性の高い品種の栽培に切り替えた農園も多く、現在は主に中南米やアフリカで栽培されています。
当店で販売している「ブラジル トミオフクダ ブルボン」もブラジルのバウー農園で栽培されています。
ブルボンの味の特徴
豆は小粒で丸みがあり、芳醇な風味や甘味が特徴です。
古くから存在する品種で比較的原生種に近いブルボンは優れた風味を持っていますが、耐病性や生産性が低いという欠点があるのでそれらを改善するため他の品種と交配させることで生まれた品種がたくさんあります。
また先述したティピカのようにブルボンが突然変異して生まれた品種もあります。
ブルボンはティピカと並んで様々な品種の大元となっています。
ブルボンと関係が深い品種
詳しくは個別に解説記事を書いていきますが、先に少しだけ紹介しましょう。
・ティピカ
上に書いたようにブルボンの変異元となっている品種です。
原生種に近い品種で、現在の数多くある品種を辿っていくと大体はティピカやブルボンを祖先に持っています。
・イエローブルボン
通常、熟したコーヒーの実は赤いのですが、これは名前の通り黄色い実がつきます。
他にもピンクブルボンなどもあります。
・カトゥーラ
ブルボンが変異した品種で、ブラジルで発見されました。
木が小さいのでグアラニー語で”小さい”を意味するCaturraと名付けられました。
当店おすすめのブルボン
当店では「ブラジル トミオフクダ ブルボン」をいう銘柄のコーヒー豆を販売しています。
このコーヒー豆はブラジル ミナスジェライス州にあるバウー農園で栽培されていて、銘柄にあるトミオフクダとはバウー農園のオーナーの名前です。
収穫したコーヒーの実を果肉をつけたまま乾燥させるナチュラルという精製処理によって甘みのある香り豊かな風味を持っています。
焙煎した豆からコーヒーを淹れる場合、コーヒー豆はインスタントコーヒーのようにお湯に溶けないので抽出する器具が必要です。
昔ながらのサイフォンや全自動のコーヒーメーカーなど様々な器具がありますが、どの器具を使おうか迷っている方は手軽にできるペーパードリップに挑戦してみてはいかがでしょうか。
自分の手でコーヒーを淹れている時間も楽しいものですよ。
様々なお菓子を用意して、どのお菓子と組み合わせると美味しいか探してみるフードペアリングも試してみてください。
ブルボンをお家で楽しもう
ブルボンについて少しでも知っていただけたでしょうか。
長くなってしまったので要点を簡単にまとめてみましょう。
・ブルボンはアラビカ種のコーヒー
・レユニオン島で栽培されていたティピカという品種が突然変異してできた品種
・ブルボンが更に突然変異してできた品種やブルボンと交配してできた品種もある
・現在は主に中南米やアフリカで栽培されている
これだけ抑えておけば大丈夫です。
コーヒー豆にはたくさんの品種があり、ブルボンもその中の一つに過ぎません。
しかも同じブルボンでも産地や栽培方法が変われば風味も変わってくるので、各地のブルボンを飲み比べてみるのも面白いですね。
今後も様々な品種を紹介していきますのでお楽しみに!